焼杉の外壁 三角焼き
2021/4/28
本牧の家の外壁では焼杉を使っていますが、
焼杉加工は住まい手の要望で三角焼きという伝統的な方法で行いました。
3角になるよう3枚の板を縄で束ね、中にかんな屑を詰めて、着火してから垂直にします。
頃合いをみて縄を解けば、焼杉の完成です。
三角焼きはかなりの手間がかかるので、普段はバーナーで焼いています。
三角焼きとバーナーでは仕上がりの違いがあり、
バーナーは均一に焼き目を入れられるのに対して、
三角焼きは、焼く間は垂直に立てるため、上下で焼きムラが出ます。
外壁にとして貼った時に炭化の激しいところと、そうでないところが模様のように出てきます。
初めて仕上がりを見たときには、こういう見え方になるのか!とはっとしましたが、
住まい手には、三角焼きならではのものとして「対比が綺麗!」と気に入っていただき安心しました。
ちなみに、焼いた後にブラシを使って洗い出すと浮造り(うづくり)仕上げとなり、内装材になります。
こちらは、階段の段板を加工しています。
浮造りにすることで表面がでこぼこしますので、階段では滑り留めの効果も少し期待できます。
伝統的な技法を知る良い機会となりました。
本牧の家 完成 (続き)
2021/4/20
三渓園近く のんびり静かな立地に完成した 本牧の家
続きのご紹介です。
階段
玄関から続き、階段の段板にも桧の厚板を使っています。
家事スペースとウォークスルー収納
階段ホールは家事スペースとなっており、アイアンのハンガーパイプとアイロンがけや洗濯物を畳むカウンターがあります。
畳んだものはその奥のウォークスルー収納へ仕舞います。
洗面所・浴室
家事スペースに隣接する洗面所には洗濯機と乾燥機があり、家事動線が簡潔になっています。
洗面カウンターはキッチン作業台と同じデザインで家具屋にオーダー製作してもらいました。
浴室
鋳物のホーロー浴槽、タイルと桧の造作風呂です。
重さ200キロの浴槽は上棟のタイミングでクレーンで吊り上げて搬入しました。
寝室
小上がりの畳スペースに敷布団スタイル。
その下は布団収納となっています。
枕元には一枚板のデスクカウンターがあります。
携帯電話や時計などの小物を置いたり、読書などちょっとした作業を想定しています。
壁には漆喰をラフに塗りました。
南向きの窓からはぽかぽか暖かい光が入り、い草の香りに包まれて1日過ごせる一番良い部屋です。
以上、本牧の家でした。
ご夫婦で息ぴったりと、土地探しからお引越しまで計画的に進めて来られました。
仕様もさくさくと決めて頂き、職人も勢いに乗ってスムーズに工事を行う事ができ、
結果、良いものづくりができた様に思いました。
これからお庭など、暮しながら作っていかれるそうです。
家の成長が楽しみです。
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁:杉板(焼杉)
室内床:桧・杉板
室内壁:土壁 漆喰 クロス