ライフスタイル 自然と共に、地域と共に暮らすのびやかな毎日

ライフスタイル 三浦海岸

暮らしの舞台は、三浦海岸を見渡す山あいの斜面地。「周辺の豊かな自然環境と共生する暮らし」「近隣や友人知人、みんなが集まる家」を思い描いて家づくりを進めたAさん家族の毎日は、まさにその思いを体現したもの。自らの手でととのえた庭で、家庭菜園を楽しむ。友人と土間市(マルシェ)を開いて、地域の輪を広げる。講師として開く天然酵母のパン教室には、毎回たくさんの笑顔が集まる。

自然あふれる土地で、全てを楽しみ、慈しみ、丁寧に暮らす姿がそこにある。

ライフスタイル 三浦海岸

story1 全てが呼吸し、生きる家。自分たちらしく、時を刻んでいく。

1階の各室をゆるやかに仕切る曲線の土壁。リビング・ダイニング、キッチン、家族室…どこにいても家族の気配を感じられ、それぞれが心地よく過ごせる家。食卓にのぼるのは、家庭菜園で育てた新鮮な野菜やハーブ。庭でつんだ草花が、さりげなく窓辺を彩り、心をなごませてくれる。

艶が出て味わいを増した梁や床。子どもたちの生長を刻み込んだ柱。暮らしを取り囲むあらゆるものが、日々の積み重ねと、この家で過ごした家族の記憶を物語る。

story1 全てが呼吸し、生きる家。自分たちらしく、時を刻んでいく。
story1 全てが呼吸し、生きる家。自分たちらしく、時を刻んでいく。
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story2 地域のもの、自然のものを用いて、1つ1つ手仕事で作り上げた家。

吹き抜けからふりそそぐやわらかな光。地窓から高窓へと導かれていく風。その土地の自然の力を最大限に取り込み、生かして、日々を心地よく暮らす。大黒柱や梁は、この敷地に建っていた古家の古材を再利用。昔からこの土地にあるもの、地域のもの、環境に負荷をかけない自然のものを用いて、一つ一つ手仕事でつくりあげた家。一枚一枚表情の違う地松の階段踏み板にも、自然と愛着がわいてくる。

story2 地域のもの、自然のものを用いて、1つ1つ手仕事で作り上げた家。
story2 地域のもの、自然のものを用いて、1つ1つ手仕事で作り上げた家。
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story3 地域に開かれた家は、地域に愛される家となる。

月に一度、仲間たちと開く土間市(マルシェ)。天然酵母の手づくりパンや野菜、友人たちの作品がずらりと並ぶ。共通するのは「安全でおいしいもの」「気持ちいいもの」。手間暇惜しまず丁寧につくられたものを求めて、地域の人たちでにぎわう。

広い土間スペースに軒下の縁側デッキ。内から外へゆるやかに続く空間が、人が集まる仕掛け。ときにはワークショップを開催して、大人から子どもまで、夢中になって同じ時を過ごす。

家づくりにあたっても、土壁塗りや農小屋づくりなど、多くのワークショップを開いてきた。遠方からもたくさんの人が参加してくれて、みんなで楽しみながら家づくりが進んだ。家は家族だけのものではない。近隣や訪れる友人のものでもある。これまでもこれからも「みんなをつなぐ家」でありたいと願う。

story3 地域に開かれた家は、地域に愛される家となる。
story3 地域に開かれた家は、地域に愛される家となる。
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story4 夏は涼しく、冬は暖かく。楽しいだけでない、心地いい家の仕組み。

普通の家にはない、もう一つの楽しみ。それは屋根の上にある。

海を一望できる広い草屋根に上ると、まばゆい太陽と、心地よい海風。芝の上に寝転んで海や空を眺めていると、自然と一体になったような気持ちになれる。空気が澄んだ冬の空、ここにはどんな星空が広がるのだろう?そんな思いを馳せずにはいられない場所。

story4 夏は涼しく、冬は暖かく。楽しいだけでない、心地いい家の仕組み。
story4 夏は涼しく、冬は暖かく。楽しいだけでない、心地いい家の仕組み。

屋根を緑化すると、高い断熱性を発揮して、屋根からの熱気や冷気による影響を受けにくくなる。

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story5 自然の中にとけこむ土壁と草屋根の家。

高低差のある敷地の上から眺める我が家は、自然の中にとけこむ土壁と草屋根の家。

約600坪の敷地に、自ら手を入れ、少しずつ庭を整えてきた。篠竹を刈り、木々を間引き、薪小屋や農小屋、ビオトープも完成させた。自らが奮闘し、また多くの仲間たちの手を借りて、一つ一つ変化と進化を続けていく。この住まいに完成形はないのかもしれない。いつも未来に向かって開かれた家。

story5 自然の中にとけこむ土壁と草屋根の家。
story5 自然の中にとけこむ土壁と草屋根の家。
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story6 自然と寄り添う小さな循環のある暮らし。

薪は、寒い冬を乗り切るための貴重な燃料。薪ストーブの心地よいぬくもりを知ってしまうと、こうして薪を集めてストックすることも、大きな手間には感じない。

ニワトリが草をついばむのを横目に、コンポストをかきまぜる。できた堆肥は、いずれ畑へ。自ら育てた、新鮮で、時にふぞろいな野菜が、食卓に笑顔をもたらす。都会の喧騒を離れて移り住んだ、自然あふれる静寂の地。

思い描いていた暮らしに一歩ずつ歩みを進める。

story6 全てが呼吸し、生きる家。自分たちらしく、時を刻んでいく。
story6 自然の中にとけこむ土壁と草屋根の家。