大工と鑿

2017/6/9

こんにちは大工の浅利です。

 

関東地方も梅雨入りしましたね。

 

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今日の現場ではアジサイが綺麗に咲いていました。

 

 

さて昨日仕事が終わり頑居堂に戻り、材料の片付けが終わってから刃物研ぎをしていました。

 

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いつでも使える様に研ぎものは大工にとってとても大事ですね。

楽居大工たちも朝仕事前だったり、お昼休み、仕事が終わってから、はたまた休みの日だったりとみんなそれぞれ刃物研ぎをしています。

 

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さてこの2本の鑿ですが同じ鍛冶屋さん(刃物を作る職人)が作ったもので種類も同じでもともとは同じ長さの鑿です。

譲り受けた鑿で僕も10年以上大切に使っています。

詳しいことはわかりませんが30年ほど前の物だと思います。

 

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仕事で使うと木の節にあたったりすると、刃先がまるまったり、または欠けたりと刃物切れがわるくなります。

そのたびに研ぎ、また切れなくなると研ぎ…

その繰り返しで半分以上短くなりました。

 

すべて古い道具たちですが自分がまったく刃物が研げないときから研ぎ続けてきた道具なので愛着があります。

 

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前読んだ鍛冶屋さん(刃物をつくる職人)の書物中に書いていた言葉を思い出しました。

 

“大工と一生を共にするのが道具(刃物)の本望でその刃物の期待に応えるのが鍛冶屋なんだ”

 

大工が歳をとり、力が衰え、引退すると同時に、一緒に仕事を共にし、大事にされた刃物もまた鋼(鑿の刃先)が短くなり、一緒に引退していくのでしょうね。